2014年春に「terminal」から取材を受けました、僕の今をまとめてくれた文章です。

貴方のライフスタイルのヒントになれば幸いです。

僕のとりとめもない話しを素敵な文にしてくれた岩城東風子さんに感謝します。

 

 

 

和歌山県紀美野町のとある山で、ちょっと変わったセルフビルドを実践している人がいると言う「デュニヤマ・ヒル」と名付けられた丘にはユニークな6棟の小屋が立ち並び、まるで異国の村にトリップしたような光景。どんな浮世離れした人が造っているんだろう、とヒッピーみたいな人を想像していたら、丘のオーナーである山口さん、本職は舞台照明デザイナー、和歌山に住み舞台の仕事があれば都市に出て、ないときは家造りに、という都市と山を行き来する日々を送っているという。

 

「照明の仕事を30年やってきて、経験値で引き出しは増えていく、それで仕事が成立している部分はありました、けれど、自分のアイデアはどこから湧いてくるのだろう、感性を見つめ直したときに辿り着いたのが、日々の食事や住まい、そしてその先のセルフビルドだったのです」

 

自然栽培や有機農法について調べたり、農家に労働力を提供する変りに宿と食を用意してもらう「WWOOF」にも参加した、土地や野菜の力を感じると、普段の食や住まいに疑問を持つように、「30年間横浜と東京に住んでいましたが、交通の利便性や充実した設備だけが「良い環境」でないことに気づいたんです」

 

その後の展開は早かった、3年ほど前に土地を購入、自ら設立した会社を引退してフリーランスに、のんびりした田舎のイメージとは裏腹に、新しい暮しは刺激に満ちていたという。

 

「遮るもののない広い空や澄んだ空気、力強く茂る緑、ユニークな生物との出会い‥‥ここでの日々は、驚きと発見の連続でした、これまでは時間に追われるばかりで、身体が求めている声にフタをしていたのかもしれません、住む所、身を置く環境の重要性を感じました」

 

土や廃材を使い、すべて異なる工法で建てられた小屋たち、そのコンセプトは「すべてが土に還ること」だ、土のうを積み上げていく「アースバッグ工法」を用いたドーム型の小屋に、解体現場の廃材を使用した道具小屋、不要になって捨てられた畳で建てられたタタミハウス、その中で、一番目をひく円形の小屋がある、積み上げた藁のブロックを土で塗り固めて造る「ストローベイルハウス」だ、

 

「土に触れると、子供に戻ったようにワクワクするんです、クレイセラピーという療法が存在するように、土には人を癒すパワーがあると実感しました、暮らすのも同じで、プラスチックの家と木の家、そして土に囲まれた家では、内部にいるときの気分がまったく違う、ストローベイルハウスの中は土とのマッチング、空気感がすごくいい、集会所やギャラリーとして使用しているのも、集まる人同士の調和がすぐとれるからなんです」

 

ドーム型のフォルムにも、山口さんのこだわりがある。

 

「愛くるしいヴィジュアルもそうなんですが、それよりも「丸」が作り出す空間のやわらかさに惹かれます、その魅力を周りの人に伝えていたら「うちでも建ててほしい」とか「セルフビルドのワークショップをやってほしい」という話しが全国から集まり、どんどんよい方向へ自然と流れていったんです、そんな不思議なシンクロニシティも、この小屋たちが紡いだもののように思います」

 

都会と田舎暮らしは、これからもつづいていく。

 

「仕事とのバランスは、今はいい感じかな、山は好きですが、都会がダメだとは思わない、洗練された空間とされていない空間の行き来は、双方に刺激があり、どちらも活力になります」しかし、そこには気負いはない、たまたま今、活動の拠点として東京と和歌山を行き来しているだけという。

 

「人はどこへでも好きなところへ行ける、次のことを決めるのは自分です、住む場所も生き方も正解はひとつではないと思います」

 

 取材・・岩城東風子=文

 

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